
フリーランス事業の棚卸し〜目標設定まで!言語化ワークショップ体験レポート
フリーランスには確定申告などの区切りはあるものの、定期的な評価面談など、会社員のように振り返りの機会が用意されているわけではありません。だからこそ意識して立ち止まり、未来を見つめる時間をつくることが必要です。
そのきっかけになる場として、Sollective は「1年の棚卸しと目標設定」をテーマにしたワークショップイベントを1月に開催。言語化を促す SOUNDカード™ を活用しながら、これまでの振り返りと今後の方向性の整理を行いました。
フリーランス10年目の私自身、「この先、どんな軸で仕事を選んでいくべきか」を改めて考えたいタイミングで参加。自分の強みを言語化するつもりが、フリーランス同士の対話を通じて得られたのは、思いがけない視点の転換でした。

SOUNDカード™で「現状」と「ありたい姿」を言葉にする
今回、会場となった Google for Startups Campus Tokyo(渋谷)に集まったのは16人のフリーランスです。SOUND コーチの北川真央による進行のもと、グラフィックデザイナー、映像ディレクター、PR など、職種も年齢もばらばらの参加者が3つのテーブルに分かれ、SOUNDカード™ をランダムに広げるところからスタートしました。
SOUNDカード™ とは
「言える化」を促し、具体的な行動を後押ししてくれるツール。Status(現状認識の共有)、Outcome(ビジョンの策定)、Understand(課題の深掘り)、Negative Check(懸念事項の確認)、Drive(具体策の決定)という5つの目的に沿ってカードに書かれた質問に答えるだけで、無意識に抱える課題や方向性が見えてきます。
🎙ファシリテーター:北川真央(SOUND コーチ/PR コンサルタント/Sollective コミュニティマネージャー)
本イベントでは「棚卸し」と「目標」にフォーカスするため、Status と Outcome のカードのみを使用。Status から Outcome の順に、机の上のカードに書かれた質問に目を通し、1〜2枚選びます。
その後1人5分という持ち時間で、自己紹介と「なぜそのカードを選択したのか」を発表。全員が発言し終えるまで意見は挟まず、批判や評価も避けるというルールで進行されました。

職種や経歴は違っても、似た課題を抱えていることが浮き彫りに
通常の対話型ワークショップではテーマが与えられることが一般的ですが、SOUND カード™ を使う場合は自分が答えたい、もしくは答えられるテーマ(問い)を選びます。そのため「自分は今どういう状態?」「何がうまくいっている?」「最近ハッとしたことは?」といった質問が書かれたカードを選ぶ段階から、それぞれの関心ごとや課題感が可視化されたのが印象的でした。
参加者が選んだカードに対する発表内容を5つ紹介します。

※画像は自動で切り替わります
それぞれ異なる質問を選んだにもかかわらず、出てきた意見には共通する課題もありました。
たとえば、バイリンガルベビーシッターが語った「自分と相手の課題の線引きの難しさ」と、グラフィックデザイナーの「やり取りや検証が不十分なまま制作が進んでしまう」悩み。形は違っても、どちらも責任や負荷を1人で抱え込みやすい点で重なります。また、映像ディレクターの「自分の枠から出られない」と、ライターの「今後の方向性への迷い」には、仕事の軸を自分で決め続けなければならないという共通点が見えてきました。
私自身も、責任感は強みだと感じる一方で「どこまでが自分の仕事か」の線引きが曖昧になりやすく、「わかる!」と頷いていました。同じような反応がほかでも見られたのは、これらが職種や経験年数からくる問題というより、フリーランスならではの構造的な課題として共有されたからかもしれません。
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フリーランス同士の対話が、視座を引き上げてくれる
各自の発表が終わった後、「あの発言ってどういう意味ですか?」「もう少し聞きたいです」など、自分の関心に引き寄せた質問が次々と飛び交い、対話は自然と広がりました。
そして自身の視点に変化が生まれたのを感じたのです。私はこの先の仕事の選び方を考えるうえで、「まず強みを言語化したい」と、最初は自分にしか矢印が向いていませんでした。それが、社会課題を軸に語る参加者の言葉に触れ、「できることから仕事を選ぶ」ではなく、「届けたい価値」へと目線の置き方が変わった感覚がありました。
たとえば、SNS を背景にした教育課題、企業のマーケティング施策における意図の不透明さ、AI 活用による品質への懸念など。話題は一見バラバラでも、根底にあったのは「本質的な価値をどう届けるか」「目の前の仕事と社会の変化をどうつなげるか」という共通の思いです。さらに、常駐比率の見直しや余白づくりなど、「働き方そのものをどう設計するか」のテーマへと議論は深まっていきました。
1人の話がほかの人の思考を刺激し、次々と新しい気づきや言葉が生まれていく。そんな対話の連鎖が、あちこちのテーブルで起きているようでした。
ワークショップで得た気づきは?
- 無理なく発言できるよう心理的安全性が担保された会だったので、目標以前の「目的」が見えた
- 言語化できたことで、今考えている方向性が間違っていないと確認できた
- フリーランスの立場だからこそ感じる社会課題への共通点が多く、共感と安心感を持てた
- 話を聞いてくれた人たちの前向きな反応が、次の行動を考えるうえで後押しになった
対話を通じた視点の変化や気づきは、私だけのものではなかったようです。職種の枠を越えてフリーランス同士率直に話せたことで思考が整理され、次の一歩も見えやすくなるのかもしれません。

走り続ける前に立ち止まる。フリーランスに必要な「指針」をつくる時間
約1時間半のワークを終えた後の交流会でも会話が尽きず、ケータリングの料理やお酒を片手に、あちこちで話し込む姿が見られました。
実は私は、フリーランスの交流イベントに参加するのは今回が初めてです。人脈作りや案件獲得の場のイメージが強く、スキルやコミュニケーションに自信のある人ばかりが集まる場では…と、正直尻込みしていたのです。
しかし実際には、評価や正解を求められることなく、自分の迷いや悩みをそのまま言葉にできる場で、最後は「もっとたくさんの人と話したかった!」と思うほど。この感想は私だけではなかったようで、事後アンケートにも「ワークにもう少し時間を使いたかった」「ほかの人の仕事の話を聞いてみたかった」といった声が寄せられており、多くのフリーランスが対話の機会を求めていることが伝わってきました。
フリーランスは気づけば目の前の仕事に追われ、目標が見えないまま1人で走り続けたり、悩みや迷いを自分だけで抱え込んだりしがちです。Sollective のイベントは、そんなフリーランスが安心して立ち止まれる場として、心強い選択肢になると思います。今後のイベントはぜひこちらからチェックしてみてください。
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Writer / Shinobu Takayama
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Editor / Yuna Park
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