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LGBTQ+ とフリーランス:ゲイの僕がたどり着いたキャリアの最適解

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dentsu Japan の調査によると、日本における LGBTQ+(性的少数者)当事者の割合は10.6%*。これは10人に1人以上が該当する計算です。ちなみに「左利き」の人々の割合は10%程度といわれており、LGBTQ+ 当事者の割合とほとんど変わりません。

誰しも一度は左利きの人に会ったことがあるように、LGBTQ+ の人にも会っているはずです。にもかかわらず「自分の周りに性的少数者はいない」と思っているのなら、それは単なる思い込みかもしれません。

こうした思い込みに基づく言葉や振る舞いによって、LGBTQ+ 当事者の多くは職場でも大きな負担を感じています。その結果、よりのびのびと活躍できる環境を求めてフリーランスとして独立する人も少なくありません。

ゲイ(同性愛者)である Chuck さんもその1人です。3年間の正社員時代を経て8年前にフリーランスのプログラマ-となった Chuck さんは、「独立してやっと力を発揮できるようになった」と話します。

プライド月間の今月は、そんな Chuck さんのお話から LGBTQ+ 当事者にとってのフリーランスという選択肢について考えてみましょう。

* 出典:dentsu Japan「LGBTQ+調査 2026

常に気をつかう環境では、100% の力を発揮できない

Chuck さんがプログラミングを始めたのは学生時代のこと。その後アルバイトで働き始めた会社で正社員として登用されたのがキャリアのスタートです。

「小さな会社だったのですが、そこにいたのは異性愛者の中年男性ばかり。自分のことを異性愛者だと決めつけて結婚や彼女の話題を頻繁に振ってくるような環境に強い衝撃を受けました。日常会話や飲み会などでも気軽に自己開示ができない状況は、思っている以上に仕事のパフォーマンスにも影響します。僕の場合、常に気をつかわなければならない状況では集中力も妨げられるため、自分の力を100%発揮できないと感じていました」

特に辛かったのは、同僚の結婚式だったといいます。もちろん出席は任意であるものの、自分だけ欠席するのは現実的な選択肢ではありませんでした。

「僕には一緒に暮らしているパートナーがいるのですが、同性なので結婚できません。自分が同僚をお祝いできても、その人が自分を祝うことは現行の制度ではありえない。その非対称性を突きつけられたこと、そして同僚の誰もその構図に気づいていなかったことは、会社員時代のつらい思い出として記憶に残っています」

その後転職した会社では、ゲイであることを周りに伝えていた Chuck さん。しかし、今度は別の困難が待ち受けていました。

「LGBTQ+ に関する話題が出たときに、周囲の人の誤った認識や『善意』に基づく言動によって、心理的な負荷を感じることが多かったです。同性婚関連のニュースが出た翌日や、プライドパレードの時期などは緊張してオフィスに行っていました」

たまに多数派からは「知らないだけで悪気はない」「教えてくれればいい」という声も聞かれますが、その姿勢は考えもの。そもそも少数派が生きづらい現実を生み出しているのは多数派であり、これは多数派の問題です。にもかかわらず、その解決を少数派に求めるのは、さらなる負荷を当事者に押し付けることになります。実際に Chuck さんも、「自らが安全性を感じられない場所で声を上げるのは大きな勇気が必要だったし、現実的ではなかった」と振り返ります。

フリーランスだからこそ得られた、長期案件でのやりがい

安心できる環境を求めた Chuck さんにとって、フリーランスはまさに最適解でした。現在は複数企業の開発案件に携わりながら、自ら語学アプリの開発も進めています。

独立して組織の一員でなくなったことで、Chuck さんは「職場での人間関係や空気に過度に気を取られることなく、純粋に仕事に没頭できるようになった」と話します。

「多くの会社組織では、飲み会など業務外の交流を通じてある程度自己開示しないと、信頼関係を築くことが難しい。一方で、フリーランスは役割でのみ評価されるため、技術力や成果が重視されると感じます。求められる役割をきちんと果たすことでクライアントから評価され、信頼してもらえるのが自分には合っています」

実は会社員時代の Chuck さんは、職場での居心地の悪さから短期間で転職を繰り返していたため、1つの案件に長く関わることがありませんでした。それが独立後は長く案件に関わるようになり、大きなやりがいと達成感を得ています。

「現在携わっている S 社の開発プロジェクトは今年で4年目になります。当初はフロントエンドエンジニアとして参画したのですが、少数精鋭の開発チームだったこともあり、任される範囲が徐々に広がっていきました。現在はフロントエンドだけでなく、バックエンドやインフラ周りの開発にも関わっています。会社員時代には、1つのプロジェクトにここまで長く関わり、担当領域を広げる未来はあまり想像できませんでした

成果を出し続けるために、今も Chuck さんは働く環境を非常に重視しています。特に重視するのは、完全リモートで働くこと。これは、異性愛を前提とした会話に遭遇したり、誤った理解による無自覚の偏見に接したりする機会をなるべく減らすことで、仕事に集中し続けるためです。

また、一緒に働くチームの多様性も重視しているといいます。最初の職場のように異性愛者の男性ばかりの環境では、それ以外の属性の人は緊張してしまうもの。Chuck さんも「女性や異なるバックグラウンドを持つ人がいるチームだと気が楽」だと話します。

公平なキャリアや人生の選択肢を求めて

独立9年目の今も、順調にフリーランスとしてのキャリアを積み重ねる Chuck さん。キャリアには満足している一方で、少し複雑な思いもあります。

「今の働き方に不満はありませんが、自分がゲイじゃなかったら正社員でキャリアを積む選択肢も取りやすかったのではないかと思うんです。そう思うと、やはり不公平感が拭えません」

加えて、現在のパートナーと結婚できないという現状も生活やキャリアの選択に影響しているといいます。

「LGBTQ+ 当事者は、多数派が当然としている権利を得られないことで精神的な負担が大きく、身体的な健康リスクも高いといわれています。僕らは常にストレスにさらされながら、生活やキャリアを築いていくしかない。この現状が早く変わってほしいです」

Chuck さんのキャリアにとって、フリーランスが前向きな選択肢であることは間違いありません。とはいえ、前提にあるのは多数派に最適化された環境であり、当事者が活躍のために独立を選択をせざるを得ない側面があるのも事実です。

Sollective は LGBTQ+ 当事者を取り巻くこの現状と向き合い、独立して活躍する人々をサポートします。同時に、ハイスキルフリーランスという存在を通して従来のビジネス構造に風穴を開け、多様な人が活躍できる環境づくりに尽力していく予定です。

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