地方の課題解決で視野とキャリアを拡大。首都圏から踏み出した組織コンサルタント Article Image

地方の課題解決で視野とキャリアを拡大。首都圏から踏み出した組織コンサルタント

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ビジネスパーソンとしてもっとキャリアを広げたいと思っても、一歩踏み出すのは勇気がいるもの。そんな人には、新たな挑戦を少しずつ始めるという方法もあります。

今回話を聞いた湯川卓海さんは、会社員として働きながら社外にもキャリアを拡大し続ける1人です。

企業で培ったスキルを軸に、活躍の場は今や長野へ。首都圏と地方というまったく異なるフィールドでの仕事から、何が得られているのでしょうか。

オレンジの背景に、右側に湯川さんの写真。左側に湯川さんのプロフィール。テキストは「大学卒業後、首都圏の複数の企業でコンサルタントやプロジェクトマネージャーとして経験を積む。2023年より、会社員の傍ら長野県で人事・組織コンサルタントとして活動。ビジネスマッチングサイトで出会った企業の組織コンサルティングに携わるほか、本業で培った傾聴力ァシリテーション力を活かして複数のプロジェクトに関わっている。」

仕事の意味を問い直し、社外の仕事に挑戦

—社外でも仕事をしてみようと思ったきっかけを教えてください。

東京のコンサルティング企業で働いていた28歳のとき、手掛けていたプロジェクトを自らクローズしたことがありました。僕にとってはアイデンティティが半分失われるような体験で、ちょうどその頃読んでいた『会社のなかの『仕事』社会のなかの『仕事』~資本主義経済下の職業の考え方』(阿部真大・著、光文社新書)という本の影響もあり、「会社で熱心に働いてきたけれど、自分の仕事は『社会のなかで』どんな意味を持つのだろう」と深く考えるようになったんです。

その本では会社のなかに留まらず社会において自分の仕事やスキルを活かすやり方も紹介されていました。その1つである地方版ビジネスマッチングサイトをのぞいてみたら案件の内容もおもしろそうだし、一度社外の仕事に飛び込んでみよう、と。

それでたまたま仕事内容や条件がマッチしたのが長野県にある企業の仕事でした。

—長野との出合いは偶然だったということですが、そのあとも長野で途切れることなく仕事を続けています。どのように次につなげていったのでしょうか?

最初の案件をやってみたら、すごくおもしろかったし学びがありました。僕が感じた学びや喜びをほかの人にも味わってもらいたい、首都圏でスキルを磨いた人と地方の経営者をつなぐ側の活動もしたいと思ったんですね。それで、運営サイドに自分からアピールして、今運営の方にも合流したという経緯です。

ほかにも、そこで出会った仕事仲間から、その人自身がやっている案件を一緒にやらないかと声をかけてもらったケースもあります。

—経験のない仕事に対する怖さはありませんでしたか?

怖さはなかったです。というのも、コンサルタントやプロジェクトマネージャーというのは、すごく抽象化していうと「人の話を聞いて、物事を前に進める」仕事なんです。これって、多くの仕事で必要かつ重要ですよね。

たとえば、「募集要項を作って採用面接を行う」仕事自体はやったことがないけど、「採用したい人の話を聞いて、人材要件のまとめを進める」あるいは「働きたい人の話を聞いて、マッチングを進める」ことだと考えれば、きっとできるな、と。

地方の仕事で広がった、経済のしくみを捉える視野

—長野の仕事と首都圏での仕事、共通点や違いはありますか。

スキルの面では重なる部分も多くあります。大きく違うのはコミュニケーションの取り方でしょうか。

たとえば、首都圏の仕事ではコンサルティングの際に取引先に「教える」というスタンスを取ることがありますが、長野でそれはうまくいきません。僕から一方的に改善策を提案するより、焦らず相手の話をじっくり聞いて、一緒に整理しながら解決方法を探っていくほうがいいと思っています。

—仕事のスピード感も違うものでしょうか?

「焦らない」なんて言うと、地方は時間がかかってまどろっこしいなと思われるかもしれないんですが、長野の仕事では「やろう」と決まったら実際にやるまではすごく早くてやりやすいです。首都圏など都市部の大企業では社内の承認にいちばん時間を取られるなんてこともよくありますから、首都圏と地方では時間がかかる場面が違うといえるかもしれませんね。

長野の仕事の何がおもしろいって、経営者のすぐそばでビジネスが動くのを目の当たりにできるところです。行政との距離も近く、会社員の立場では意識しづらい経済のしくみも臨場感を持って理解できるようになりました。

—長野の仕事を通じて、湯川さん自身の視野が広がっているように見えます。

長野の仕事を始めてから、経営や行政の視点からビジネスを捉えられるようになりました。会社の仕事であったあの出来事は、行政の視点からこう見えていたのか、と理解できたこともあります。

こうした視野の広がりが、長野の仕事で得られるもののなかで一番大きいですね。長野に踏み出して本当によかったと思います。

キャリアを広げる一歩の形はいくつもある。挑戦したい気持ちを優先して

—今後はどのように仕事をしていく予定ですか?

異なる仕事で視野が開けるとわかったので、これからも複数社のプロジェクトに関わっていたいですね。

ただ、僕が関わっている地方の仕事はやりがいやおもしろさがある一方、収入は大きくありません。たくさんお金が欲しくて始めたわけではないとはいえ、現状これだけで生活するには難しく、悩ましいです。

視野をもっと広げる意味も込めて、今後は首都圏でもさまざまなプロジェクトに関わってみようかと思っています。それで自信が持てたら、その先に独立もあるかもしれませんね。

—今、組織に所属するなど現状の環境を保ちながら新しくキャリアを広げようとしている人へ、メッセージをお願いします。

会社の仕事をしつつ新しい仕事にも挑戦してみるって、自分にできるのか不安だと思うかもしれません。自分のスキルで通用するのかプレッシャーを感じるとか、時間が足りるのかとか。

でも、僕の場合一歩踏み出してみたら、思っていたよりハードルは高くありませんでした。やってみたら意外とできる。いきなり大きな報酬の仕事はプレッシャーでも、サポートを受けながらプロボノ案件なら始められそうと思うかもしれないし、遠くに移動する時間がなくても、現地に行く回数を減らしてリモートでできるかもしれない。

キャリアを広げるために、最初の一歩を踏み出す方向も歩幅の大きさもいろいろあります。やってみたいという気持ちを優先して動いてもいいんじゃないでしょうか

—本日はありがとうございました!

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